2020年、12項の産業特許分析課題を含む国家知識産権局のプロジェクトがあり、全国で200を超える申請単位がありました。1つの課題には1つの申請単位しか認められないため、初選で95％が淘汰されました。その後、研究プロジェクトの実施において、成果が出せない、または品質が基準に達しないため、7項目の課題が期待通りの成果を上げられませんでした。そのため、最終的に出版されることが許可された成果は5つだけでした。
このプロジェクトは「特許分析普及促進プロジェクト」です。国家知識産権局が主導し、新興産業に特許分析を行い、我が国の産業企業が重要な技術障害を克服し、発展のボトルネックを突破する手助けをすることを目的としています。省エネ・環境保護、新エネルギー、新素材、高端設備製造などは、このプロジェクトの重要な研究分野です。
これらの産業が「新興産業」と呼ばれる理由は、我が国では比較的遅れて発展し、国外ではすでに優れた技術が確立されているからです。例えば、商用旅客機の分野では、中国は2008年に設立され、フランスのエアバスは1970年、ボーイングは1916年に設立されており、ほぼ100年早く技術が積み重ねられています。
そのため、特許分析普及促進プロジェクトは非常に重要な意義を持ちます。研究と分析を通じて、先進国との技術差を明確にし、自国の発展を制約する原因を見つけ出し、その解決策をまとめた「産業特許分析報告書」を出版し、国内企業が参考にできるようにすることは、企業と産業全体の発展にとって非常に有益です。
新エネルギーや新素材などの新興産業は、国民経済におけるシェアが増大していますが、同時に科研の突破が急務となる問題にも直面しています。そのため、特許分析普及促進プロジェクトの重要性は言うまでもありません。国家知識産権局は、数年間にわたり年度の業務指針において「新興産業の特許動向の研究を重視し、複数の『産業特許分析報告書』を発表し、これらの成果を十分に活用すること」と述べています。
したがって、国家知識産権局がこのプロジェクトに対して高い評価と厳格な承認を求めることは非常に理解しやすいことです。次に、三聚陽光と西安蓝晓科技が共同で担当した「高性能吸着分離樹脂及び応用技術の鍵となる技術」のプロジェクトを例に挙げて、関連する技術分野、研究過程、プロジェクトの価値を紹介します。
高性能吸着分離樹脂は、一見すると馴染みがないように思えますが、実は私たちの日常生活の中で非常に多く見かけます。例えば、自宅の水道に設置された高級浄水器の中にも使用されており、水流が通過する際に不純物をきれいに取り除きます。また、製薬、冶金、食品などの産業分野でも、純度を高めたり、原材料のさまざまな物質を分離したりするために使われています。つまり、この技術は広く応用されているだけでなく、私たちの日常生活にも密接に関連しています。
このプロジェクトの研究過程は、医者が患者を診察するのに似ています。医者はまず患者の症状を概略的に理解し、その後、検査や心電図、レントゲンなどを行い、病状を十分に把握します。その結果に基づいて、薬を処方するか、手術を行うなどの対応をします。治療が終わった後、医者は患者に対して注意点や生活習慣のアドバイスをします。
本課題の研究の第一歩は、業界の発展状況を理解することです。高性能吸着分離樹脂は新素材産業に属します。現在の状況は、数年前の国内の携帯電話市場に似ています。高級携帯電話はモトローラ、ノキア、サムスンなどの外国ブランドが占めており、この産業の高端ビジネスはドイツ、アメリカ、日本などの企業に支配されています。中国は高端産能が不足しており、高端応用分野の需要を満たすために輸入しなければなりません。
研究の第二歩は、業界の発展における「症結」を十分に理解し、解決することです。蓝晓科技は国内の高分子吸着分離材料業界のリーダー企業であり、三聚陽光と蓝晓科技は一緒に業界の各細分分野における吸着分離技術について、以下の研究を行いました：特許の全体分析；主要な特許の発行国；中国の特許配置状況；外国企業の技術特徴、各応用分野における特許技術特徴など。最終的に、業界全体の問題点をまとめ、解決策や技術研究の方向性を提案しました。
研究の第三歩は、成果を整理して出版することです。三聚陽光と蓝晓科技の研究成果は最終的に国家知識産権局の学術委員会の評価を通過し、「産業特許分析報告書」シリーズの第83巻として出版される予定です。この研究成果は、高分子吸着分離樹脂業界の技術の現状を理解し、業界の将来の方向性を予測し、企業が研究開発の方向を正確に見極め、特許リスクを予測するために大きな影響を与えるでしょう。
三聚陽光は今回の「高性能吸着分離樹脂及び応用技術の鍵となる技術」の課題を担当した後も、知識産権研究分析コンサルティングにおけるサービス能力を十分に発揮し、社会により多くの優れたサービス成果を提供し続けるつもりです。
